社内文書をAIで検索するには?RAG導入前の資料整理と設計手順

社内文書をAIで検索したい場合、最初に必要なのは文書を大量に読み込ませることではありません。どの資料が正しく、誰に見せてよく、いつ更新されるかを整理することです。RAGは質問に関連する資料を検索し、その内容を回答の根拠として使う仕組みですが、古い資料や権限の誤りを自動的に解決するわけではありません。

ファイル検索とRAGを使い分ける

ファイル名や案件番号が分かっているなら、既存の検索で十分な場合があります。複数の規程を横断し「この場合はどの申請が必要か」を確認したい場合は、出典を示す回答が役立ちます。一方、申請の承認や人事上の判断まで自動で行わせるのは、検索とは別の設計です。

最初の対象は、更新担当者と正解が明確な一分野に限定します。全社共有フォルダの一括投入より、旅費規程と申請手順など範囲を説明できる資料から始めます。

導入前に作る資料台帳

項目記入例確認の目的
資料IDTRAVEL-001回答と原文を結び付ける
版・適用開始日第3版・2026年4月旧版との混在を防ぐ
所有部署総務更新の確認先を明確にする
閲覧対象国内勤務の社員権限と適用条件を区別する
原本URL社内文書の管理先回答から原文へ戻れるようにする
例外条件海外出張は別規程一般ルールの誤適用を防ぐ

機密性の違う資料は、質問に「秘密を出さないで」と書くだけでは保護できません。検索対象を利用者の権限で制御し、許可のない文書を取得しない仕組みが必要です。

資料を整える五つの手順

  1. 正式版と旧版を分け、重複ファイルの扱いを決める。
  2. PDFの本文や表が正しく取り出せるか、代表資料で確かめる。
  3. 見出し、適用条件、表の単位が一緒に残るように整理する。
  4. 文書ID・版・出典URLを回答時に参照できる形で保持する。
  5. 更新・削除が検索対象へ反映される経路を決める。

分割した文章の中に「次の表」とだけ書かれていて表が別に離れていると、必要な条件が失われます。分割サイズの数字だけを調整する前に、実際に検索された文章を読んでください。

最初に用意するテスト質問

通常の質問だけでなく、例外、古い制度、資料に答えがない質問、閲覧権限がない質問も含めます。旅費規程なら「上限はいくらか」だけでなく「海外拠点にも同じ上限が適用されるか」を確認します。

期待する回答と根拠箇所を担当者が用意し、「正しい文書が見つかったか」「答えがその文書に沿っているか」を別々に採点します。答えがないときに推測せず担当窓口へ案内できることも評価対象です。

よくある質問

RAGを使えば誤回答はなくなりますか?

なくなりません。検索漏れ、資料の矛盾、回答生成時の誤りが残ります。出典表示と人の確認に加え、更新・権限・評価の運用が必要です。

最初から専用システムを開発すべきですか?

必須ではありません。既存サービスで必要な資料・権限・出典表示を扱えるかを試し、不足する機能と運用要件が明確になってから開発範囲を決めます。

ZETTAiに相談する前に

検索対象の文書、更新頻度、閲覧権限を一覧にしてください。ZETTAiのAIエージェント開発・導入支援について、検索範囲と権限をどう設計するか相談できます。接続先への対応可否はご相談時に確認します。

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参考資料

製品情報の確認日:2026年10月22日。利用時は対象プラン・バージョンの公式案内も確認してください。